CURA JEWELRYの作品ができるまで

「ジュエリーってどうやって作っているんですか?」という質問を最近たまに受けるので、今回はCURA JEWELRYの作品ができるまでをざっとご説明したいと思います。

1.構想

どんな人につけてもらいたいジュエリーにするか、どんな石を使うかなどをスケッチしながら考えていきます。

一番意識しているのが、「どんな人にどんな風につけてもらいたいか?」。

指輪をよく集めている人?それとも初めて買う人?重ね付けしてほしい?それとも単体でつけていただく?など自問自答しながら、デザインの全体観を考えていきます。

この軸が曖昧だと、職人さんへの指示も定まらなくて、作品の仕上がりが中途半端なものになってしまうので、じっくり時間をかけて検討します。

2.仕入れ

作りたい作品のコンセプトが定まったら、原材料の仕入れをします。

CURA JEWELRYでは、特に石には強くこだわりを持って仕入れており、デザイナー自身が身につけたいと心から思えるものしか仕入れないと決めています。

なので、なかなか制作が進まないこともしばしば…。ただ、ここはジュエリーを制作する上で妥協できないポイントの一つなので、お世話になっている業者さんを渡り歩き、とことんイメージにあった石を探し続けます。

3.デザイン

原材料の目星がついたら早速デザインに取り掛かります。

今やほとんどのジュエリーブランドが3D CAD を用いて制作していますが、CURA JEWELRYでも3D CADを使ってデザインしています。

3D CADでデザインすると、作品を360°どの角度から見た時も美しいかチェックすることができるし、職人さんにイメージを伝えやすくてとても便利で手放せないツールです。

大手のジュエリーブランドでは、ここまでの企画、仕入れ、デザイン、CADのデータづくりのプロセスを全て専門の部署で分業しているようですが、CURA JEWELRYでは仕入れ、企画、デザインまで全て私一人で行っています。

分業した方が効率は良いのかもしれませんが、その石がどのような文脈を持っているのか、それをどんな人に届けたいのかをきちんと理解してデザインした方が、より素材の良さを生かした、届けたい人に響くようなデザインを生み出せると信じて制作しています。

4.プロトタイプ作成

CADで作ったデザインを元に、プロトタイプを作っていきます。

仕上がりがプラチナやゴールドの作品でも、何度でも作り直せるようにプロトタイプはシルバーや真鍮を使って作ります。

CURA JEWELRYの作品は実際にお客様に販売するものは熟練の職人が仕上げていますが、プロトタイプに関しては私が仕上げることも多いです。

私は彫金の技術に長けているわけではなく、何十年も使ってもらえるクオリティに作品を仕上げる技術はありませんが、プロトタイプを作れるくらいの技術と知識は訓練して身につけました。

デザイナーも彫金の技術を知っていた方が作る作品の幅も広がりますし、制作しにくい無茶なデザインを考えなくなるので勉強してよかったと思います。

5.実際に試着して心地や耐久性を確認

プロトタイプが完成したら実際に普段の生活で身につけてみて、形や色のバランス、耐久性やつけごごちの良さを確認します。

「アンティークになるまで大切にしてもらうジュエリー」を目指しているブランドとして、どんなに見た目がかっこよくても、すぐに形が崩れてしまったり、つけ心地の悪いものは再調整、最悪ボツになるものも。

6.調整→試着…を納得いくまで繰り返す

プロトタイプで見つけた課題を解消するため、ここでなんどもチューニングをかけていきます。

見た目と耐久性、つけ心地の三拍子が揃う作品になるよう、納得いくまでなんども試作していきます。

7.製品として仕上げる

プロトタイプで納得のいくものができたら、製品として仕上げてやっと完成!

時間がかかって効率の悪い作り方ではありますが、「一生もののジュエリー」を届ける誇りと責任に向き合って、職人と日々奮闘中です。

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